大会場で会社紹介をしている様子

【イベントレポート】札幌の高校生が会社見学に来てくれました

2023年9月29日、北海道にある札幌第一高校が実施している「アカデミックツアー」の訪問先としてアタマプラスへ高校1年生32名にご来社いただきました。当日は、会社紹介のほかにも高校当時の進路選択や現在の仕事について社員の経験談も披露しました。今回は、その会社見学の様子をご紹介します。

会社見学の会場の様子。

ミッションは、自分の人生を生きる人を増やすこと

まずは、広報担当者によるアタマプラスの紹介からスタートです。
アタマプラスでは、AIを使って、一人ひとりの理解度・弱点に合わせた、オーダーメイドのカリキュラムを作る教材「atama+」を開発し、全国の学習塾へ提供、また自らも塾運営を行っています。
atama+で基礎学力を効率的に習得し、社会で生きる力を養うことで、社会でいきいきと活躍する人を増やしたい。それによって社会をより良くすることを目指している会社です。

一人目:数学研究者から学習体験プランナーへ

はじめは固かった会場の空気も少しずつほぐれ始めました。会社紹介を一通り終えた後、今度は学習体験プランナーの半田から、高校時代の進路選択から今の仕事に至るまでの経験についてのプレゼンテーションです。
半田は、高校当時から「数学や物理が分かった時が楽しい!」と感じており研究者や学校の先生になることを目指して、北海道大学理学部へ進学しました。目標は変わらぬまま博士課程まで数学の研究を続ける中で「研究を世の中に役立たせたい」という想いが徐々に強くなり、大学院卒業後は企業研究者の道へ進みます。その後、縁あってアタマプラスへ転職。現在は研究で身につけた知識や経験をフルに活用して学習体験プランナーに従事しています。

スクリーンに写ったスライドを説明するはんだ半田の様子。
学習体験プランナーの半田

学習体験プランナーは、atama+のアルゴリズムを支える仕事

学習体験プランナーは、atama+のアルゴリズムを支える仕事です。このアルゴリズムは、一人ひとりの学習の理解度を測る方法やルールで、例えば、アルゴリズムにより「どんな問題をお勧めしたらいいんだろう」「この間違え方はケアレスミスかな」「どれくらい時間がかかるかな」などを予測できるようになります。
実際に生徒が学習している様子を観察したり、蓄積された学習データを分析することで、日々アルゴリズムの精度を高めています。学校の先生とは異なるアプローチではあるものの数学研究者としての専門性を活かして新しい学習体験づくりに励んでいるとのことです。

アタマプラスのアルゴリズムを説明するスライド。アルゴリズムは、習熟度の推定/問題のレコメンド/誤答の分類/学習に要する時間の予測を行っている。
プレゼンテーションのスライドから抜粋

自分の「やってみたい」を信じて進んでみたらいい

半田は、高校時代から今までを振り返って気付いたことがあったと言います。その体験から、高校生のみなさんにこんなエールで締めくくりました。
「大切なのは、『やってみたい』の気持ちを信じること。将来携わる仕事は、これから経験していく中で大きく変わっていきます。高校生の今、焦って決める必要はないし、将来やりたいことが変わって無駄になることはないので、不安になりすぎなくて大丈夫です」

二人目「絵を描くことが好き!」からUXデザイナーへ

続いて、もう一人の社員、UXデザイナーの沼田は、小学生の頃から絵を描くことが好きだったことから一転して、UXデザイナーになったそうです。イベントでは、そのきっかけについてお話しました。
ぼんやりと絵を描く仕事をしたいと思っている中で、真剣に進路を考え始めたのは高校生のとき。駅で見かけた広告から「絵を仕事にするってアーティストだけじゃないんだ。デザインの仕事もあるんだ!」と知ったそうです。得意な現代文を活かして文学部への進学も考えた一方で、目標を叶えるために絵を描く勉強ならやってみたいと思い、デザイナーを目指して、筑波大学芸術専門学群に進学しました。

高校生に向かってプレゼンテーションしている沼田の様子。
UXデザイナーの沼田
プレゼンテーションに聞き入りメモを取る高校生の様子。

コラボレーションで新しいアイデアが生まれる瞬間がたまらない!

沼田は「大学時代からデザイナー以外の人と話したときに自分では思いつかないアイデアが出てくる瞬間がたまらなく好きでした。多様な人がいるのは、総合大学の面白さのひとつです」と話しました。大学での経験がきっかけで新たな興味が芽生えて、絵を描く仕事を目指していた沼田は、多様な人々と関わることが求められるUXデザイナーへと進路を変更したそうです。現在は、さまざまな職種の人やユーザーの方々と協力しながらプロダクトの開発・改善と向き合っています。最近では「違う考えを持つ人とコミュニケーションをとるときには現代文の知識が活かされていると、過去の学びと現在の仕事のつながりも発見し、どんな仕事が楽しいと感じるのかも分かってきた」と楽しそうに話していました。

学生時代の勉強がよい仕事につながっている

「数学なんて、将来使わないでしょと思っていました。でも、今の仕事で使うこともあるんです」と話す沼田。今の仕事では、数学の専門家と一緒に仕事をするときには数学が分かる方がいいコラボレーションができると、学生時代の勉強の大切さを実感していると締めくくりました。

高校生から寄せられた質問

質疑応答では、AI、文理選択、仕事内容などたくさんの質問をいただきました。質問してくださる高校生の真剣なまなざしに、答える社員もおもわず熱くなりました。

高校生がマイクを持ち、登壇者に向かって質問をしている様子。
質疑応答の様子

Q. 「将来、先生が全部AIに代わると聞きます。atama+で勉強するときは、人がコーチングするって言っていたけれど、人間が教育に携わる部分は残りますか?」(女子生徒

「残ると思います。自分だけで学習を続けるってかなり難しいんですよね。やりきるためには人の力って大事で、その関係性があることでもっと学んでいけるようになると思います」(沼田/UXデザイナー)

Q. 「好きがテーマになっていたけれど、どうしても文理選択や志望大学の話ばかりに。仕事にしたいと思うほど好きなものがなくて、どうしたらいいですか?」(女子生徒)

「研究していた数学は、最初は苦手科目でした。でも、たくさん準備したら得意に変わったし、少しやってみるだけで変わることもあります。まずは小さいことや興味のあることから探ってみてもいいかなと思います」(半田/学習体験プランナー)

Q. 「UXデザイナーについて教えてください。人の立場で考えることは日常でも必要ですが、職業としてどんなことを意識していますか?」(男子生徒)

「『なんでそう思うんだろう?』とサービスを受ける身として分析すること、気持ちを想像してみることを大事にしています。どういう経験から自分の気持ちがうまれたのかを細かく分解・分析していくことが必要かなと思います」(沼田/UXデザイナー)

最後に、アカデミックツアーを企画された先生にもお話をうかがいました。

札幌第一高校の先生

「今回、学校教育ではあまり扱われない『AI』×生徒が理解しやすい『教育』の企業としてアタマプラスを選ばせてもらいました。生徒の生きる力の育成や進路選択の一助になればいいという想いで取り組みましたが、いきいきと東京で働く大人と話す貴重な経験に、生徒たちは多くの刺激を受けたでしょう。進路に悩む生徒もいた中で、学生時代にやっておくべきことについての有益なアドバイスもいただけたので本当によかったです」

今回は、札幌第一高校のみなさんにアタマプラスを訪問してもらい、アタマプラスの取り組みと、社員の高校時代から今までの経験をお話しました。AIの具体的な活用方法だけでなく、普段接することのない大人との対話や会社の雰囲気も楽しんでいただけたのではと思います。予定時間いっぱいまでたくさんの質問をいただき、登壇した二人も時間をかけて準備を進めてきた甲斐があったととても喜んでいました。このイベントが「自分のやりたい」を信じて進路選択や今後の人生を歩んでいくきっかけになることを願っています。

【学校関係者の方向け】

会社見学に関するお問い合わせはこちら

企画
森本典生のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 所長
森本 典生(もりもと のりお)
東北大学経済学部経営学科卒業後、株式会社ベネッセコーポレーションに入社。
教師、講師、生徒、保護者への研修や講演は延べ2000回以上。科学的な「伸びる」学習方法やEd Techの価値について研究全般を統括。
監修
内藤純のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 データサイエンティスト
内藤 純(ないとう じゅん)
東京大学大学院理学系研究科天文学専攻卒業後、データサイエンティストとして様々な領域の分析及びAI開発に従事。
ビッグデータを用いて、様々な角度から学びの実態を研究。
執筆
池田真一郎のスナップ画像
atama+ EdTech研究所 主任研究員
池田 真一郎(いけだ しんいちろう)
早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、株式会社リクルートマネジメントソリューションズに入社。社会人向け教育プログラムの開発・法人向け営業および、事業企画に従事。
ビッグデータの分析・研究を通じて、より良い学びについて発信中。
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