Interview

生徒を熱狂させたい。学びに「熱狂」を。

井上 拓也

Contents

学生時代は純粋数学を学んでいて、将来は教授になりたいと考えていました。進路を考えるタイミングで、大学院時代に数学と実社会を結び付けた研究をしていたこともあって、その知見が活かせるだろうと、ビジネスの世界に飛び込むことに決め、ベネッセに就職しました。大学受験のためのコンテンツを作っているうちに、自分は「教育」が好きなんだな、と実感して。その後ベネッセのブラジル法人を立ち上げるというプロジェクトで代表の稲田と出会い、atama plus創業のタイミングで、「日本の教育のために事業を立ち上げるので一緒にやらないか?」と声をかけてもらってジョインしました。

生徒を熱狂させるコンテンツづくり

僕が所属しているコンテンツチームでは、「atama+」を通じて生徒に最短で基礎学力を身に着けてもらう、そして勉強を楽しいものと感じてもらうための学習コンテンツの企画・編集を行っています。今後は「社会でいきる力」を伸ばすためのコンテンツづくりにも取り組んでいく予定です。コンテンツはatama plusの思いに賛同してくださる有名予備校の講師や学校の先生に協力いただきオリジナルのものをつくっています。塾や生徒へのヒアリング、社会の動きなどをもとに今後どういう教科や単元を増やしていくかということを決めてコンテンツを拡充すること、生徒がより効率的に学ぶためにコンテンツを改善していくことがチームとしての役割です。

atama plusのコンテンツづくりにおいては完成はなくて、生徒を熱狂させられているか、最短で「わかる!」を提供できているか、を常に分析し、理想の反応が得られなければどんどん改善していく。コンテンツの出来上がりのクオリティは、エンドユーザーに見てもらって初めて価値のあるものかどうかがわかるのです。だから、早くリリースしてから改善していくということを強く意識しています。

atama plusのアジャイル開発方針にも沿っているのですが、まずエンドユーザーである生徒に届けてフィードバックを得るということを大切にしています。そして生徒の反応を見て、何につまずいているのか、どうすれば熱狂して学ぶようになるか、を考えてコンテンツに反映していきます。生徒の気持ちを理解するためにチーム皆で毎週塾に足を運んで、生徒が使っている様子を見るようにしているんです。生徒のペイン(痛み)を拾って日々改善していけるのと、生徒が楽しそうに学んでいる様子を自分の目で見られるのは、とても嬉しいです。

コンテンツは生徒が日常的に触れる、atama+の顔となる部分です。コンテンツの良し悪しは生徒の満足に影響するので、責任重大ですがやりがいがありますね。

誰かの人生の幅を広げてあげるような仕事がしたい

実は僕、高校を中退しているんです。小さい頃から外遊びもゲームも、とにかく友達と一緒に遊ぶのが好きだったんです。勉強も好きじゃなかったし、将来のことも全く考えてなくて、2年生の時に退学してしまいました。その時、人生の選択の幅がものすごく減ったと感じてしまって。1年後に一念発起して大検(高卒認定)が取れる予備校に通うことにしたんですが、1年以上鉛筆すら持っていなかったし、落ちこぼれの自分に愕然としました。それで、これはもう付け焼刃じゃどうしようもないと観念して、まずは数学の教科書の1ページ目からちゃんと勉強し直したんです。そうすると少しずつ分かるようになって、急に勉強が楽しくなりました。学びによって自分の世界がぐんと広がる実感があって、なんだかワクワクしましたね。結果、数学を極めたいと考えるようになり大検で大学に入学、そして大学院まで進んで、自分の人生の幅が大きく広がったと思っています。

もう一つ挫折経験があって、新卒で入社したベネッセでブラジル法人の立ち上げをしたのですが、結果的に撤退することになったんです。僕は新規事業担当の部長をしていたのですが、自分が採用した現地スタッフを解雇しなければならなかったのがつらくて。それまでエンドユーザーのことを考えて仕事をすべきだと思っていたのですが、スタッフの幸せも考えながら仕事をしようと強く心に刻むきっかけになりました。この経験から、誰かの人生の幅を広げてあげるような仕事がしたいと思ったんです。「人を幸せにする」っておこがましいし、難しい。でも、選択肢を与えることはできると思うんです。

僕はatama plusでの仕事を通じて、子どもたちの可能性を広げたいと思っています。基礎学力が身につけば、選択肢の幅が広がります。まずはフィールドに立ってから、人生の幅を広げていけばいい。僕たちは基礎学力が早く身につくようなコンテンツを提供することで、子どもたちの可能性を広げてあげたいんです。

座右の銘は「日々是前進」。大きな目標を目指す時には、小さなステップを置いて、それを駆け上がっていくものですが、小さなステップの最小単位は、一日で済むようなことだったりするんですね。積み上げていくと、いつの間にかいろいろなことができるようになっている。他には、一緒に働いている人の良いところ、改善してほしいところを見つけて言語化するということを意識しています。人と向きあうときの観点を広げて、自分自身の評価軸に取り入れていくことで、より幅のある人間になっていきたいなと思っています。

INTERVIEW, WRITING:
斉藤あきこ
PHOTO:
橋本直貴